原子力規制委の山中委員長 処理水の設備視察 福島第一原発

原子力規制委員会の山中伸介委員長が、処理水の放出が始まった後としては初めて東京電力福島第一原子力発電所を訪れ、放出のための設備の稼働状況などを確認しました。

原子力規制委員会の山中委員長は、原発事故の究明や廃炉の進捗状況の確認のため、これまでも福島第一原発を訪れていますが、14日の視察は、ことし8月に福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する作業が始まった後としては、初めてとなりました。

山中委員長は、放出の設備全体を見渡せる高台を訪れ、処理水を保管タンクから沖合に送るまでの工程や、トラブルが起きた際にただちに放出を止める仕組みについて、東京電力の担当者から説明を受けていました。

また、山中委員長は処理水を海水で薄める前と後でトリチウムなどの放射性物質の濃度を確認する施設にも入り、分析に使う機器や操作の手順についても確認したということです。

視察を終えた山中委員長は、「処理水について、基準を満たした放出が慎重に行われていることを私自身が確認できた。この1年間、高い頻度で現場を視察することができ、去年、委員長に就任して以来、東京電力に求めてきたことが徐々に実現してきたと感じる。東京電力には今後も慎重に作業を進めてほしい」と話していました。