鉄スクラップなど無断持ち出し問題で検討会設置 環境省

東京電力福島第一原発事故の帰還困難区域だった大熊町で行われていた建物の解体工事の現場から放射性物質濃度が測定されていない鉄スクラップなどが無断で持ち出され、業者に売却されていた問題で、環境省は、外部有識者などを交えた検討会を立ち上げ、再発防止策をとりまとめることになりました。

大熊町の帰還困難区域のうち、早期に避難指示が解除された特定復興再生拠点区域にあった大熊町図書館・民俗伝承館について、国は大手ゼネコンに解体工事を発注し、下請けの地元の会社が、ことし2月から作業を行っていました。

この現場から作業員が放射性物質濃度が測定されていない鉄スクラップなどを無断で持ち出し、売却していたことが先月、わかりました。

環境省は13日、外部有識者などを交えて再発防止策の検討会を立ち上げました。

13日の会議では、問題の経緯について、現場の入退場時に車両や作業員の確認がなく、関係者以外も出入りできる状態だったうえ、廃棄物の持ち出しの記録もされていなかったことなどが報告されました。

そのうえで、再発防止策として、金属くずなどが発生する現場には出入り口に監視員を設置し、環境省の職員も平日毎日、現場を確認するなど環境省と業者が二重でチェックを行う案が示されました。

今後、検討会を重ねて、再発防止策をとりまとめることにしています。

検討会の河津賢澄委員長は、「このような事態が起きることは地元住民にとって非常に不安になることだ。環境省の調査などを踏まえて再発防止策をよく議論していきたい」と話していました。