水資源の保全などを考える「全国源流サミット」塙町で開催

河川の源流域にある全国の市町村が水資源の保全や水源地の文化の発信などについて考える「全国源流サミット」が東北地方としては初めて福島県塙町で開かれました。

「全国源流サミット」は、過疎化が進む源流地域の活性化や環境保全を目指して、全国の河川の源流域にある自治体でつくる協議会がほぼ毎年開いています。

ことしのサミットは福島県南部から茨城県にかけて流れる久慈川の源流がある塙町で12日・13日の2日間にわたって開かれ、全国30の自治体のトップが参加しました。

東北地方での開催は初めてで、塙町の宮田秀利町長は「川がある自然のなかで生活できるふるさとを未来につなげていくことが私たちの使命です」とあいさつしました。

続いて行われたパネルディスカッションには地元の久慈川第一漁業組合の漁業者が参加し、災害などで河川の底に土砂がたまって水量が減り、この40年で生息する魚の種類が大きく変化していることを報告しました。

東京農業大学の宮林茂幸名誉教授は「源流が流れる農山村を放置すると山の手入れが行き届かなくなり災害の発生にもつながる」と述べ、源流域で農業や林業が持続できる環境を整備していくことの大切さを訴えていました。