記録的大雨1か月 いわき 災害廃棄物撤去進む 今後の対応は

先月8日の記録的大雨で住宅の浸水が相次いだいわき市では、災害廃棄物が大量に発生し、市が設けた仮置き場以外の多くの場所に放置されて問題になっていましたが、その後、撤去が進み、市によりますと、今月はじめにおおむね終わったとしています。

いわき市では、先月8日の記録的な大雨で1700棟を超える住宅が床上や床下が水につかり、使えなくなった家電や家具などが市が指定する仮置き場以外の公園や空き地などに放置され、こうした場所は最大で500か所以上にのぼりました。

このため市は地元の消防団や委託業者、さらに、仙台市の支援を得て撤去を進め、市によりますと、今月はじめに撤去はおおむね終わったとしています。

市では、災害廃棄物について、引き続き、▽勿来市民運動場▽常磐市民運動場▽内郷市民運動場の3か所を仮置き場に指定していますが、今月9日に終了することを決めています。

しかし、被災した住民が高齢だったり、車が浸水して使えなくなり運ぶことができなかったりして災害廃棄物をいまも自宅に置いているケースがあるとして、いわき市のごみ減量推進課は、「廃棄物を自分で運べないときには市役所に連絡して個別収集を利用してほしい」と呼びかけています。

記録的な大雨で大きな被害が出たいわき市の松本雄二郎災害対策課長は、災害発生からまもなく1か月となる現状について、「被害の詳細の把握は、り災証明の申請などをもとに進めており、まだ申請していない人もいるので途上にある。床下の泥がまだ撤去できていないという声があるなど住民再建もまだまだだ」と話しています。

また、被災した住民などの再建に向けた課題については「被害があった地域では高齢化が進んでいる地域もあり情報が届きにくかったり、どう行動していいかわからなかったりする人もいて取り残される人を出さないようにすることが課題。事業者の復旧については市だけでは対応が難しいので県や国とも連携していかなければいけない」と述べました。

そして、これからの市の取り組みについて「住宅の提供や財政的な支援を取りこぼしなくしっかりと行っていきたい。被害にあった人によって個々の状況の違いがあるので、戸別訪問などでニーズを聞ききとって対応していきたい。また、今回の災害のメカニズムや対応の検証をしっかりと行って、今後同じような被害を出さないようにするための備えにも取り組んでいきたい」と話していました。