処理水放出 県産の水産物の価格に変化なし

処理水放出 県産の水産物の価格に変化なし

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する作業が始まってから24日で1か月です。
福島県内の漁協は、これまでのところ放出開始による水産物の価格の変化は見られないとしています。

全国の漁場の状況やおもな漁港での魚の取引価格などを調べている「一般社団法人漁業情報サービスセンター」によりますと、今月に入ってから22日までの生のイシガレイの1キロ当たりの平均価格は相馬原釜で1501円、全国で857円と福島県相馬市の漁港で水揚げされたものが全国平均より640円余り上回りました。

去年9月の平均価格でも680円余り上回っていて、1年前との大きな変化は見られませんでした。

天然の生ヒラメは去年、相馬原釜が全国平均より400円余り上回っていましたが、22日までの平均価格は相馬原釜が1888円全国が1861円と、ほとんど差はありませんでした。

一方で、去年は全国平均が1000円ほど上回っていた生のマダコは、相馬原釜が1030円、全国が1566円と、価格差は500円ほどでした。

漁業情報サービスセンターは「魚の価格の動向についてはコメントできない」としています。

このことについて、福島県相馬市に本所がある相馬双葉漁協は、「水産物の価格は大きさや鮮度、他の地域の水揚げ量に左右されるので、処理水放出の影響の有無を判断するのは難しい。ただ、放出が始まったあとの県産の水産物の価格に大きな変化はなく現時点で風評の影響は確認されていないと考えている」としています。