いわきの浸水現場を専門家が調査 「2つの氾濫が同時に」

今月8日の大雨で広い範囲が浸水した福島県いわき市の現場を河川工学の専門家が詳しく調査したところ、特に被害が大きかった河川の周辺では川の水があふれる外水氾濫と、排出できなくなった水がたまる内水氾濫が同時に起き、被害が拡大した可能性が高いことがわかりました。

いわき市の被災現場を調査したのは、河川工学が専門の福島大学の川越清樹教授らのグループです。

川越教授は17日までに特に広い範囲が浸水した内郷地区の宮川と新川流域を巡り、およそ50か所で浸水の痕跡を確認し深さや特徴を調べました。

その結果、2つの川は断面積が小さい上に流木などが橋にひっかかって流れがせき止められ川の水があふれる外水氾濫と、周囲よりも土地が低いくぼ地に流れ込む雨水を排出できなくなる内水氾濫が起きたとしています。

川越教授は、この外水氾濫と内水氾濫が同時に起き、被害が拡大した可能性があると分析しました。

川越教授は「2つの氾濫が同時に起こる特徴をもつ地域は全国にたくさんある。現状では、今回のような線状降水帯の予測精度には限界があるので、自分の住む場所での最悪の事態を想定して備えておくことが必要だ」と話していました。