復旧作業の際の注意点 感染症の専門家に聞く

今月8日の大雨で大きな被害が出た地域では住民が泥をかき出すなどの復旧作業を進めていますが、その際の注意点について感染症に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授に聞きました。

賀来特任教授は、水害の際に住宅などに流れ込む泥水にはさまざまな微生物が含まれている可能性があり感染症を引き起こすおそれもあると指摘しています。

そのうえで「東日本大震災の時も『津波肺』と呼ばれ、泥の中のカビのような微生物を吸い込んで肺炎にかかったという症例もあった。注意する必要がある」と話しています。

さらに片づけの際に負った手や足の傷から雑菌が入って化のうしたり、乾燥した泥などのほこりを吸い込んだりして肺炎になるおそれもあると指摘しています。

賀来特任教授は「作業する時はしっかりとした厚手のゴム手袋を着け、長靴をはく必要がある。さらに暑いと乾燥してほこりが舞い、吸い込むと肺炎を引き起こすおそれもある。できればマスクを着け、窓を開けたり、扇風機を回したりして暑さをしのぐなどの工夫をしてほしい」と話しています。

住宅をかたづけ、消毒を行う際の注意点については「泥の中にはいろいろな有機物やタンパク質が含まれていて、せっかく泥の上から消毒剤を入れても希釈されてしまい、泥の中の成分に阻まれて効果を示さない場合がある」としたうえで「できるだけ乾いた状態でゴミや泥を除去し、きれいにしてから床などの消毒をするのが大事だ」と話しています。