放出後初の県漁協組合長会議 野崎会長「冷静に見守りたい」

東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めた上で海に放出してから1週間となる31日、放出後としては初めてとなる県内漁協の組合長が集まる会議がいわき市で開かれ、福島県漁連の野崎哲会長はこれまで魚の取り引きに問題は出ていないとした上で「放出の状況を冷静かつ真剣に見守りたい」と述べました。

福島第一原発にたまる処理水を薄めた上で海に放出してからちょうど1週間となる31日、いわき市で開かれた会議には県内の漁協の組合長のほか政府や東京電力などの担当者が出席しました。

会議では、はじめに、県漁連の野ザキ会長が「放出されたことは苦しいが、漁業を存続させるために冷静かつ真剣に放出の状況を見守りたい。漁業者には苦労をかけるがなんとか頑張っていきたい」とあいさつしました。

その後、政府の担当者が、放出後の海水や魚の検査の結果、トリチウム濃度は検出できる下限の値を下回っていることや、中国の全面禁輸で影響を受けている事業者には政府が支援することなどを説明していました。

これまでのところ県内で水揚げした水産物の取り引きは放出前と同様に行われているということで、野ザキ会長は「この1週間は大きな問題はなく進んでいるので少し安心した。漁業者には引き続き頑張って魚をとりましょうと呼びかけたい」と話していました。