水産物輸出先開拓などに数百億円規模 政府が緊急対策まとめる

東京電力福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まってから31日で1週間となります。
中国が、日本産の水産物の輸入を全面的に停止したことを受け、政府は漁業者などに対して新たな輸出先の開拓を支援するといった緊急対策を取りまとめ、新たに数百億円規模を充てる方針です。

今月24日に福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まったことを受けて、中国の税関当局は日本産の水産物の輸入を全面的に停止し、影響が広がっています。

中国は、日本からの水産物の最大の輸出先で、去年の輸出額は870億円余りにのぼり、その半数をホタテが占めています。

中国向けのホタテは、現地で殻をむくなどの加工をしたうえで、アメリカなどに輸出されることも少なくないため、政府としては、中国を経由せず、直接、輸出できるよう、日本での加工施設の整備や、新たな輸出先の開拓などを支援することにしています。

また、水産物の国内消費の拡大を図る取り組みや、漁業者の団体が一時的に買い取って冷凍保管する取り組みなどの支援も拡充していくとしています。

政府はこれらを緊急対策として取りまとめ、新たに数百億円規模を充てる方針で、近く正式に決定することにしています。

さらに東京電力も期間や地域、業種を限定せず、風評被害による水産物や農産物の価格の下落で売り上げが減少した場合や外国からの禁輸措置を受けた場合などに賠償を行うとしていて、政府・東京電力が一丸となって風評対策に取り組む方針です。