処理水放出1週間 魚の取り引き価格に大きな変化なし

東京電力が福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めた上で海に放出してから、31日で1週間です。
放出をめぐっては福島で水揚げされた魚への風評被害が懸念されていますが、いわき市中央卸売市場によりますと、これまでのところ取り引き価格に大きな変化はないということです。

東京電力は1週間前の今月24日、政府の方針に基づいて福島第一原発にたまる処理水を大量の海水で基準を下回る濃度に薄めた上で、海への放出を始めました。

処理水の放出をめぐっては漁業者を中心に、水揚げした魚への風評被害が懸念されていますが、いわき市中央卸売市場によりますと、これまでのところ放出の前と後で魚の取り引き価格に大きな変化はないということです。

具体的には、福島産のヒラメの1キロあたりの取り引き価格は、放出前の今月24日朝が1404円から2700円で、放出から5日後の29日朝は1620円から2700円でした。

また今月28日に取り引きがある卸会社と仲卸会社のあわせて6社に対し放出に伴う影響について聞き取りを行い、すべての会社が「現時点で明らかな影響はない」と答えたものの、今後については「影響があるかもしれず不安だ」と答えた会社もあったということです。

いわき市中央卸売市場の永井賢一郎市場長は「定期的に情報収集をしながら市場の動向を注視したい。県産海産物の販売促進を後押しするなど風評被害が起きないよう取り組んでいきたい」としています。