12年ぶり地元に戻った大熊町の学校 完成した新校舎で新学期
原発事故の影響で、一時、避難を余儀なくされ、今年度、12年ぶりに地元に戻った福島県大熊町の学校の校舎がこのほど完成し、子どもたちが夏休み明けの25日、新しい校舎で新学期を迎えました。
新しい校舎で新学期を迎えたのは、大熊町の小中学校を統合した義務教育学校「学び舎ゆめの森」です。
大熊町の小中学校は、原発事故のあと、一時、町の外に避難し、今年度12年ぶりに町内に戻って避難指示が解除された地区で仮の校舎を使って再開していました。
25日は、一緒に校舎を利用するこども園の園児を含む31人が新たな学びやに集まりました。
校舎は中央に吹き抜けの図書スペースがあり、およそ2万冊の本が備えられているほか、教室は学年を問わず自由に使えるよう仕切りがないなど、開放的なつくりで、子どもたちは校舎内の楽しい場所などを写真に撮る課題に取り組みました。
このあと、始業式で増子啓信副校長は「一歩を踏み出すことができるのが“ゆめの森”です。自分たちで考えて、行動して、やってみることに挑戦してほしい」と呼びかけました。
3年生の女子児童は「こんな学校で勉強していいのかと思うくらいすごかったです。遊んだり本を読んだりするのが楽しみ」と話していました。
中学3年に当たる9年生の女子生徒は「いままでの学校と違って自由度の高い学校で勉強が楽しみです。みんなと楽しく学校生活を送れたら良いと思います」と話していました。