県の工事で入札妨害の罪 建設会社の元役員 起訴事実認める

大熊町の建設会社の元役員が、県発注の土木工事の設計金額を、取り引きがあった別の建設会社の役員に漏らして工事を落札させたなどとして、公契約関係競売入札妨害の罪に問われている裁判が福島地方裁判所で始まり、被告は起訴内容を認めました。
検察は懲役1年を求刑し結審しました。

大熊町の建設会社、東日本緑化工業の元役員、坂田紀幸被告(53)は去年5月末ごろ、県発注の複数の土木工事の入札に際し、工事の積算などを担当していた県職員から設計金額を教えてもらい、取り引きがあった別の建設会社の役員に漏らして工事を落札させるなどしたとして、公契約関係競売入札妨害の罪に問われています。

16日、福島地方裁判所で開かれた初公判で、坂田被告は起訴された内容を認めました。

検察は冒頭陳述で「以前から取り引きのある建設会社の役員から公共工事を思うように落札できないなどと相談を受け、この会社が落札できるようにして自社が下請けに入ることができるよう考えた」などと指摘しました。

続いて論告で「被告は自己の立場を盤石なものとし、自社の利益を図るため犯行を繰り返し、利欲目的の動機に酌量の余地はない。予防の観点からも厳罰をもって臨む必要がある」などとして懲役1年を求刑しました。

判決は来月13日に言い渡される予定です。