除染土再生利用の実証事業 福島と東京の高校生が見学 飯舘村

原発事故に伴う除染で出た土を農地で再生利用する飯舘村の実証事業の現場を福島と東京の高校生が見学し、県外での計画が進んでいない再生利用のあり方について意見を交わしました。

実証事業の現場を訪れたのは東京・新宿区の戸山高校と福島市の福島高校、それに、郡山市の安積高校のおよそ30人で、復興の状況を学ぶ安積高校の特別授業にほか2校の生徒が参加しました。

生徒たちは、除染土の再生利用の実証事業が行われている飯舘村の長泥地区を訪れ、コメや大豆の農地を前に、環境省の職員から除染した土から異物などを取り除いた土の上に厚さ50センチ以上の土をかぶせて栽培していることや、農作物は放射性物質の検出限界値を下回っていることなど説明を受けていました。

除染土の再生利用をめぐり、国は東京の新宿御苑などで植物や環境に影響がないか実証事業を計画していますが、地元住民の反対などで、開始のめどは立っていません。

意見交換会では、かぶせる土の厚さがなぜ50センチなのか作物の検査をほかの県でも実施するとよいのでは、などと議論していました。

戸山高校の女子生徒は「新宿御苑の実証もほとんど知られていないので、学校で教育をすれば風評被害も防げると思う」と話していました。

また、福島高校の女子生徒は「作物が栽培できることが確認できました。除染土について研究しているのでさらに理解を深めたい」と話していました。