常磐線舞台芸術祭 南相馬で柳美里さん脚本の演劇上演始まる

先月末から浜通りを走るJR常磐線の沿線各地で開かれている舞台芸術のイベントで、南相馬市では作家の柳美里さんが脚本を手がけた演劇の上演が4日夜から始まりました。

「常磐線舞台芸術祭2023」はJR常磐線の沿線各地で開かれていて、演劇や合唱など25のプログラムが予定されています。

4日夜から南相馬市で、柳美里さんが脚本した演劇の公演が始まるのを前に、4日午後、最終のリハーサルが行われました。

舞台には、震災が起きた当時高校生だった地元出身の若者のほか、現在、地元の高校に通う生徒も出演し、震災が起きる前の穏やかな日常と、12年前の3月11日に震災と原発事故が起きたあと、何も知らされないまま避難せざるをえなかった当時の子どもたちの不安や悲しみなどを演じていました。

出演するふたば未来学園高校の阿部柊さんは「演じるというよりも、実在する登場人物の気持ちを代弁できるようにしたいです」と話していました。

柳美里さんは「当時の子どもたちは、大人もみんな大変な状況で自分の悩みや葛藤、悲しみ苦しみを話すことができなかったのだと思う。その声の響きを受けとってほしい」と話していました。

この演劇の公演は4日夜から始まり、6日まで柳美里さんが設ける劇場で上演されます。