福島・処理水問題などに市民の意見反映を「福島円卓会議」発足

福島第一原発にたまる処理水を薄めて海へ放出する計画をめぐり政府が具体的な時期の検討を進める中、有識者らの有志が処理水の処分方法をはじめとする廃炉の進め方に市民の意見を反映させるための新たな会議を立ち上げ、11日初めての会合が開かれました。

政府は、福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について、基準を下回る濃度に薄めてことし夏ごろから海への放出を始める方針で、具体的な放出時期の検討に入っています。

こうした中、福島大学の元学長など有識者らの有志8人が、処理水の処分方法をはじめとする廃炉の進め方に市民の意見を反映させようと、新たに「福島円卓会議」を立ち上げました。

11日福島市で初めての会合が開かれ、参加者からは、処理水の海への放出計画について「県民は国や東京電力が決めたことの説明を受けただけの構図で、その方針について一緒に議論し意思決定する場がなかった」などと方針を決定するプロセスの問題を指摘する意見が相次ぎました。

また、原子炉建屋で発生する汚染水そのものの量を抑える根本的な対策を求める声や処理水の放出によって支払われる賠償が県民の分断を生むという懸念も示されました。

会議の事務局長で福島大学の林薫平准教授は、「政府や東京電力という立場に関係なく、復興や廃炉のためにどのようなことが必要なのか一緒に話し共に決めていく形を目指していきたい」と話していました。