イノシシの捕獲数が半減 ブタの伝染病「CSF」が拡大か

福島県内で高い伝染力と致死率が特徴のブタの伝染病、CSF=豚熱に感染したとみられるイノシシが増えて、捕獲数が激減している問題で、昨年度の捕獲数は前の年からさらに半減し、およそ1万頭だったことが県のまとめでわかりました。
引き続き、養豚場への感染が懸念されています。

福島県では、東京電力福島第一原発原発の事故のあと避難指示が出された地域を中心にイノシシの生息範囲が広がり、3年前の令和2年度の捕獲数は震災前の10倍近い3万5698頭にまで急増しました。

県は自治体や猟友会と連携して駆除を進めましたが、令和3年度から状況が一転し、捕獲数は前の年度の半分の1万8767頭にまで減り、昨年度は、速報値でさらに半分の9934頭まで減ったことが県のまとめでわかりました。

県内ではこれまでに少なくとも33の市町村で、高い伝染力と致死率が特徴のブタの伝染病、CSF=豚熱に感染したイノシシが捕獲されていて、県は、駆除の効果に加えて、豚熱の感染が拡大して死に至り、個体数が減っているとみています。

県自然保護課は「捕獲数の減少はイノシシの豚熱への感染によるもので養豚場への影響が懸念され油断できない。引き続き捕獲を進めていきたい」としています。