“処理水の放出反対”県漁連 が4年連続で特別決議採択

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり原子力規制委員会による設備の検査が行われるなど放出に向けた準備が進む中、福島県漁連は30日いわき市で今年度の総会を開き、処理水の放出に反対する特別決議を4年連続で採択しました。

いわき市で開かれた福島県漁連の今年度の総会で、野崎哲会長は処理水の放出に向けた設備面での準備が最終段階に入っていることなどをふまえて「国と東電には処理水の陸上での保管を引き続き強く求めているが、漁業者には海洋放出を止める具体的な手だてがないことも事実だ。福島に住み、福島で漁業を続けていくことを抵抗の証として宣言する」とあいさつしました。

続いて、県漁連の事務局が「廃炉に向けた取り組みを否定するものではないが、処理水の海洋放出に反対であることはいささかも変わるものではない」とする特別決議を提案し、出席した県内の各漁協など10の団体の全会一致でこの決議を採択しました。

処理水の放出に反対する決議を採択するのは4年連続です。

特別決議ではこのほか、処理水の放出をめぐり、漁業者や国民への説明を引き続き行うこと、風評を決して起こさない安全性の担保、長期にわたる継続的な漁業者支援の実施などを、国が責任を持って行うよう求めています。