生成AI導入 専門家“人間が操縦士 AIが副操縦士の関係”

行政のデジタル化の動向に詳しい、武蔵大学の庄司昌彦教授は、自治体をはじめ、急速に生成AIの導入が進む背景には人口減少社会が加速している現状があるとした上で、「17年後の2040年には公務員が今の半分の人数で仕事をしなければならなくなると言われている。1人がいまの倍の仕事をこなすことになるため、今後は見直せるものはどんどん見直して、人間しかできない仕事に集中する余裕を確保していく必要がある。世界的に利用が進んでいるので社会への浸透は不可避だ」と指摘しました。

その上で、生成AIは、人間の話し言葉を理解して回答を出したり、人が言葉で指示を出すだけでコンピューターのプログラムに働きかけて機械を動かせるため、仕事を大幅に効率化するなどのメリットが期待できるといいます。

一方で、個人情報や機密情報を入力することで情報漏えいにつながるリスクがあることや、AIに判断を委ねてしまう危険が考えられるとされています。

庄司教授は「AIはパートナーに過ぎず、わたしたちを導いてくれるものではない。人間が操縦士で、AIが副操縦士だという関係を理解する必要があり、わたしたちが責任を放棄してAIの言うことを鵜呑みにせず、記事でも論文でも行政文書でも人間が見て判断して外に出すことが重要だ。人間とAIの関係を逆転させないようにしながら、正しく使っていくことが求められる」と話しています。