福島第一原発 処理水放出計画 原子力規制委員会が設備を視察

東京電力福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐり、原子力規制委員会の山中伸介委員長が24日、試運転が行われている放出のための設備を視察し、今月28日から全体の性能を確認する規制委員会による検査を行うと明らかにしました。

政府は、福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度まで海水で薄めてことし夏ごろまでに海に流す計画で、東京電力が設備の建設工事を進めてきました。

設備はほぼ完成し、現在は試運転が行われていて、24日原子力規制委員会の山中委員長がこれらの状況を視察しました。

視察を終えた山中委員長は、記者団の取材に対し、設備全体の性能を確認する規制委員会による検査を今月28日から行うと明らかにしました。

この検査ではそれぞれの設備の稼働状況や何らかの異常が発生した場合に水の流れを遮断する機能などを重点的に確認する予定で、終了時期は未定ですが、規制委員会のこの検査に合格すれば処理水の放出に向けた設備面での準備が整うことになります。

山中委員長は、「東京電力にはトラブルやヒューマンエラーが生じないよう着実に作業を進めてほしい。検査ではそうした点も含めて機器や総合的な性能の試験をしっかり確認していきたい」と述べました。