避難指示地域のサル生息域 原発事故前の約3倍に拡大 国調査

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で避難指示が出された地域では、サルの生息域が事故前のおよそ3倍に拡大しているとみられることが国の調査でわかりました。

この調査は、帰還した住民の生活への影響などを調べるため、復興庁が目撃情報などを基に昨年度時点の状況をまとめました。

それによりますと、原発事故の影響で避難指示が出された帰還困難区域を含む12市町村のサルの生息数は、推計でおよそ2600頭、群れの数は42に上るとみられます。

1つ当たりの群れのサルの数は、数十頭から最大180頭を超えるということです。

また生息域は、原発事故前、南相馬市、浪江町、葛尾村、飯舘村の4市町村の一部に限られていましたが、昨年度は広野町を除く11市町村で確認され、事故前のおよそ3倍に拡大しているとみられるということです。

要因として、原発事故に伴う住民の避難や耕作放棄地の増加などが大きく影響しているということです。

原発事故の被災地ではサルが農作物を食い荒らしたり家屋に侵入したりするなどの被害が確認されていて、住民の帰還や営農再開の障害になるとして、国や県、市町村は電気柵の設置や捕獲などの対策をより強化することにしています。