福島県の大学生が開発したVRのシステムで山岳遭難を疑似体験

山岳遭難の防止につなげようと、福島県の大学生グループが、VR=仮想現実の技術を活用して遭難時の厳しい状況を疑似体験できるシステムを開発し、11日、一般向けの体験会が福島県磐梯町の道の駅で開かれました。

体験会は、コンピューター理工学が専門で、VRやロボットを研究している会津大学の学生8人が企画したもので、大学の隣町・福島県磐梯町にある「道の駅ばんだい」で開きました。

学生たちは、毎年、多くの人たちが山で遭難し命を落としたり、けがをしていることから自分たちの研究を遭難防止につなげたいと、医師の話を参考にするなどしておよそ4か月かけてシステムを開発しました。

そのシステムは、VRを活用し、山中のリアルな映像が映し出されるゴーグル、体の冷えを再現するために首に装着する冷却装置、それに水が徐々に注がれ、重くなっていくことで疲れを再現するリュックなどでできています。

会場を訪れた人たちは、学生から説明を受けながらゴーグルなどを装着したあと、遭難の厳しい状況を疑似体験し、突然、視界に現れる動物や落石に驚いていたほか、時間がたつにつれて体が重くなったり、視界がぼやけたりしていくことなどを通して遭難の怖さを実感していました。

会津大学4年生の渡辺雄大さんは「実際に山に登る時には、体験で感じた怖さや注意点をいかしてほしいです」と話していました。