福島市の飯坂温泉 温泉供給の設備老朽化 値上げ議論始まる

福島市の飯坂温泉の公衆浴場や旅館の大半に温泉を供給している団体の設備が老朽化し、維持管理のための財源もひっ迫していることを受けて、値上げなどに関する議論が始まりました。

福島市の飯坂温泉にあるおよそ70の共同浴場や旅館などは、福島市との合併を機に設置された「飯坂町財産区」に使用料を払って温泉の供給を受けています。

29日、福島市の「パルセいいざか」で開かれた会議には旅館の関係者や地元の住民など10人が出席し、市の担当者が、老朽化したポンプなどの設備の更新におよそ2億5000万円かかるが、旅館の廃業などにより温泉使用料収入が減っているうえ、財産区が管理する4つの公衆浴場も赤字続きで財源が足りないなどと現状を説明しました。

そのうえで、公衆浴場の統合や利用料の値上げが必要だと伝えると、出席者からは「値上げすれば利用者が減り、かえって財源が減るおそれがある」とか、「家に風呂がなく毎日利用している人は入浴料が負担になる」といった声が上がりました。

検討会の小水秀也会長は「できるだけ値上げは避け、温泉を有効活用をして利用客を増やしていきたい」と話していました。