公共工事入札で贈賄の罪 元社長に執行猶予付き判決 福島地裁

福島県発注の公共工事の入札をめぐり、自分の会社に機密情報を漏らした県職員への謝礼などの趣旨で接待を続けたとして、贈賄の罪に問われている元建設会社社長に対し、福島地方裁判所は執行猶予の付いた判決を言い渡しました。

会津坂下町の建設会社「マルト建設」の元社長上野清範被告(45)は、自分の会社の担当役員が県発注の複数の公共工事の設計金額を県会津農林事務所の職員に漏らしてもらっていることへの謝礼などの趣旨で、令和2年3月から2年以上にわたって、この職員に飲食や宿泊、それにゴルフなどの接待を続けたとして贈賄の罪に問われています。

25日の判決で、福島地方裁判所の三浦隆昭裁判長は「県職員から設計金額の教示をうけることは入札の公正を害するものだが、役員の行動をとがめないばかりか、便宜を受けた見返り等の趣旨で接待を続けたことは、公務員の職務の公正や社会の信頼を大きく害する悪質なものである」と指摘しました。

そのうえで、すでに社長を辞職し、会社が指名停止処分を受けるなどの社会的制裁を受けているとして、懲役1年執行猶予3年の判決を言い渡しました。