飯舘村長泥地区 除染土再生利用の実証事業 面積拡大して開始

原発事故に伴う除染で出た土を農地に再生利用する実証事業が行われている飯舘村の長泥地区で、ことし3年目となる水田での試験が面積を拡大して始まりました。

環境省は、除染で出た土について、放射性物質の濃度が基準を下回れば、全国の公共事業などで再生利用する方針で、飯舘村長泥地区では、村内の除染で出た土から異物を取り除き、放射性物質の濃度が基準を下回ったものを農地で利用する実証事業を5年前から行っています。

このうち3年目となることしの水田での試験は、面積を27アールに拡大し、23日から地元の人たちなどが手植えしたり田植機を使ったりして始まりました。

拡大して整備した水田は、除染で出た土などを入れて先月できたばかりで、秋の収穫期までかけて水田の機能として必要な排水性やコメへの放射性物質への影響などを確かめるということです。

福島地方環境事務所の赤石沢則男土壌再生利用技術企画官は、「地元での営農再開に向けて、心配なく農地に使えるか確認していきたい」と話していました。

除染で出た土の再生利用をめぐっては、東京の新宿御苑や埼玉県所沢市でも実証事業が計画されていますが、地元住民などの反対を受けて開始のめどは立っておらず、環境省は、長泥地区の実証事業の見学会を開催するなどして理解醸成につなげたい考えです。