柳美里さんらのグループ 常磐線沿線などで芸術祭開催へ
全米図書賞などを受賞し南相馬市で書店を営んでいる作家の柳美里さんらのグループが、ことしの夏、福島県内のJR常磐線沿線などで演劇などを披露する芸術祭を開くことになりました。
「常磐線舞台芸術祭2023」と題して7月31日から8月13日まで開かれるこの催しは、東日本大震災のあと南相馬市小高区に移住した作家の柳美里さんや県内の高校で演劇を指導している劇作家の平田オリザさんらのグループが企画しました。
新地町からいわき市にかけてのJR常磐線沿線13か所と福島駅東口周辺で、演劇や朗読劇の講演や合唱の披露など22のプログラムを行います。
このうち、南相馬市内の劇場では、あわせて11日にわたって柳さんが脚本と演出を手がけ、JR常磐線を利用する高校生の心情を描いた劇が上演され、8月1日と2日には、いわき市の勿来市民会館で、平田さんが脚本と演出を手がけた宮沢賢治原作の『銀河鉄道の夜』の劇が上演されます。
原発事故によって一部区間が不通となったJR常磐線が全線での運転を再開した2020年に開催される予定でしたが、新型コロナの感染拡大の影響で延期されていたということです。
柳さんは「この芸術祭を通じて、福島の魅力を感じてもらい、交流のきっかけになればいいと思います」と話していました。