会津若松市に移った大熊町の町立幼稚園 閉園で最後の卒園式

原発事故のあと、会津若松市に移った大熊町の町立幼稚園は今月で閉園することになり、最後の卒園式が行われました。
卒園した2人は、来月町内に開校する新しい学校に入学します。

大熊町の熊町幼稚園と大野幼稚園は、原発事故の影響でおよそ100キロ離れた会津若松市に避難し、2011年4月に1つの幼稚園として再開して以降119人が通いました。

来月、町内に保育園と幼稚園、それに小中学校まで一貫の学校が開校するため閉園することになり、15日、園児2人が出席して最後の卒園式が行われました。

式では、それぞれの幼稚園の園歌を歌ったあと、修了証書が手渡され、佐藤由弘園長が「これから義務教育学校の1年生になりますが失敗をおそれず好きなことを見つけてください」と激励しました。

続いて、閉園式が行われ、2人は園章を町長に返し、2つの幼稚園は、50年以上の歴史に幕を下ろしました。

卒園する石井空くんは「新しい学校ではいろんなことがいっぱいできるようになりたいです。将来はゴルフ選手になります」と話していました。

また、後藤琉清くんは「幼稚園でブランコや鉄棒、鬼ごっこをしたのが楽しかったです。新しい学校では足が速くなりたい」と話し、父親の祐司さんは「式での姿を見て成長を感じます。町の生活環境に不安はありますが、家族で乗り越えていきたい」と話していました。