いわき市の旅館で中間貯蔵施設に関する写真展

いわき市の旅館にある資料室で、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う除染で出た土などを保管している中間貯蔵施設に関する写真展が開かれています。

写真展が開かれているのは、いわき湯本温泉の旅館「古滝屋」が宴会場を改修しておととし設けた「原子力災害考証館」です。

会場には、フォトジャーナリストの豊田直巳さんが撮影した、双葉町と大熊町にまたがる中間貯蔵施設とその予定地の事故後の歩みなどを記録した写真18点が展示されています。

このうち、去年11月に大熊町で撮影された写真は、自分の田んぼだった場所に背丈を超えるススキが生い茂っている様子をぼう然と眺める住民の姿を捉えたものです。

また、双葉町で撮影された写真は、中間貯蔵施設の予定地にある自宅の内部に草木が入り込み、動物に荒らされてしまった様子をじっと見つめる住民を写したものです。

原子力災害考証館の里見喜生館長は「原発事故の被害について一般の人に知ってもらう機会が少ないので、各地から来る旅行客に関心を持ってもらうきっかけにしてほしい」と話していました。

この写真展は来年2月まで開かれ、宿泊者以外も午前10時から午後4時まで無料で見ることができます。