福島県知事が風評払拭へ米国で県産米PR 安全性強く訴え
3年ぶりに海外でのトップセールを行うため、アメリカを訪れている福島県の内堀知事は、日本時間の17日、最初の訪問地・ロサンゼルスに到着し、福島県産のコメの輸出拡大と原発事故による風評の払しょくに向けて、アメリカの消費者に県産のコメをPRしました。
福島県ではことし、福島第一原発でたまり続ける「処理水」の海への放出が計画されていて、この機会に、安全性や魅力を強く訴えて販路を築きたい考えです。
福島県の内堀雅雄知事は、日本時間の17日から4日間の日程で、アメリカを訪れていて、県産の食品の販路拡大と風評払しょくのためのトップセールスを行います。
17日は最初の訪問地・ロサンゼルスの日系スーパーマーケットを訪れ、県のオリジナル米「天のつぶ」を炊いたご飯を買い物客に手渡し、試食してもらいました。
続いて、アメリカ国内で65店舗のスーパーを展開する企業の責任者と会談し、JA全農福島を含めた3者で、年間100トンを目標に県産のコメを輸出することで合意しました。
アメリカ政府は、福島第一原発の事故のあと実施していた、福島や宮城など14の県の食品のべ100品目の輸入規制をおととし撤廃していて、知事の訪米は規制の撤廃後としては初めてです。
福島県では、福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む「処理水」の海への放出が、ことし春から夏ごろに計画され、新たな風評が生まれる懸念もあることから、県はこの機会に、県産のコメの安全性や魅力を強く訴えて、アメリカの巨大市場に販路を築きたい考えです。
内堀知事は「県産米をアメリカに本格的に輸出できるようになることは福島の復興のシンボルになると考えている」と話していました。
ロサンゼルスのスーパーで福島県産のご飯を試食した現地の男性は「とても甘く、ご飯が完璧に炊かれていて、粒がくっつきあってなくてかたくない。とてもおいしく炊き上がっている」と話していました。
また、別の男性は「処理水の放出で、間違いなく人々は食品の安全性について懸念するだろう。でもいったん福島産の食品を味わい、福島産の食物や水が安全なものであることを認識すれば人々の考え方も変わると思う。そうでなければ福島産の食品を売るのは困難だろう。私自身は懸念していない。この米なら一日中食べていられるよ」と話していました。