双葉町で生産された農産物 原発事故後 初めて出荷へ

東京電力福島第一原子力発電所が立地する福島県双葉町で生産された農産物が、原発事故後、初めて出荷されることになりました。

双葉町から出荷されるのは、帰還困難区域に指定されたあと、「特定復興再生拠点区域」として先行して除染などが行われ、ことし8月に避難指示が解除された地区の広さ50アールの畑で生産されている、ブロッコリーです。

福島第一原発が立地している双葉町は、かつてはコメの生産が盛んでしたが、事故によって全域に避難指示が出され、すべての住民が避難を余儀なくされたため、農産物の出荷が途絶えていました。

栽培農家の木幡治さんによりますと、水路などの農業インフラの復旧が進んでいないうえ、除染作業で養分が多い地表近くの土が取り除かれてしまったことから、水田だった場所を畑にして、やせた土壌でも栽培しやすいブロッコリーを植えたということです。

この地区で作られたブロッコリーは、避難指示解除前の試験栽培で国の基準を超える放射性物質が確認されなかったため、ことし4月に出荷制限が解除されていて、十分な大きさになったものを今月中に収穫し、県による放射性物質の検査を経て、地元の農協に出荷される予定です。

双葉町で生産された農産物が出荷されるのは、原発事故後初めてです。

避難先のいわき市から車で片道1時間かけて毎週通い栽培している木幡さんは、「元々田んぼだった土地が除染で荒れてしまったので、試行錯誤しながら作りました。出荷の見通しが立って非常にうれしいですし、これを双葉の農業の復興の第一歩として、これからも頑張って生産していきたいです」と話していました。