コメを原料にプラスチックを製造 浪江町に工場が完成

東京電力福島第一原子力発電所の事故の被災地の農業再生につなげようと地域で生産したコメを原料にプラスチックを製造する工場が浪江町に完成しました。

工場が完成したのは、原発事故の影響で一時、全域に避難指示が出された浪江町です。

30日は、工場の完成を祝う竣工式が行われ建設した企業や町の関係者など100人余りが参加しました。

この工場はコメとプラスチックを水と熱を加えながら混ぜ、特殊な方法で処理した「バイオマスプラスチック」を製造します。

総工費はおよそ10億円で、浪江町のほか、同じように原発事故で一時、全域に避難指示が出された飯舘村などで生産されたコメを年間1500トン原料として使用し、3000トンのプラスチックの製造を見込んでいます。

地域の農家のコメを買い取ることで、被災地の農家の安定した収入の確保や農業の再生につながるほか、コメの消費拡大、プラスチック製品を廃棄する際の二酸化炭素排出量の削減などの効果も期待されます。

工場を建設したバイオマスレジン福島の今津健充社長は「震災と原発事故を経験した相双地域から新たな技術を世界に発信していきたい」と話していました。