皇室に献上される新嘗祭のコメ 郡山市で収穫

来月、皇居で行われる「新嘗祭」のために皇室に献上されるコメの収穫が福島県郡山市で行われました。

新嘗祭は五穀豊穣などを願い、毎年11月23日に皇居で行われる儀式で、全国各地からその年に収穫されたコメなどが皇室に献上されます。

郡山市では、5日、農家の遠藤昭夫(69)さんの30アールの水田で神事の「抜穂式」が行われ、関係者30人余りが出席しました。

はじめに神職が祝詞を上げたあと「刈乙女」を務める女子高校生が刈り取った稲穂を遠藤さんに手渡し、祭壇にささげられました。

続いて、出席した人たちが、鎌を持って水田に1列に並び、たわわに実った黄金色の稲穂を刈り取っていきました。

県によりますと、遠藤さんは47年にわたってコメづくりに従事し、その技術を生かして郡山市や県のブランド米の普及に貢献したことから選ばれたということです。

収穫されたコメは、初めて献上される県の高級ブランド米、「福、笑い」で、精米したうえで、中でも品質のよいおよそ1キロを今月25日までに皇居に届けるということです。

郡山市から「新嘗祭」のための献上は44年ぶりで、遠藤さんは「稲作の集大成ともいえる機会をいただきありがたいです。関係者のみなさんの努力のたまものであり、献上できることをうれしく思います」と話していました。