避難指示解除後の大熊町中心地域で試験栽培のコメ収穫
ことし6月に避難指示が解除された福島県大熊町のかつての中心地域で営農の再開に向けて試験栽培されているコメが収穫されました。
コメの収穫が行われたのは、ことし6月30日に避難指示が解除されたばかりの福島県大熊町のJR大野駅周辺の地域で、町の職員や農業委員会のメンバーが参加しました。
大熊町は、避難指示が解除されたあとの営農の再開を見据えておととしからコメの試験栽培に取り組んでいて、3年目のことしはおよそ14アールの田んぼに順調に稲が実りました。
試験栽培したコメは、法律で食べることができないと決められていて、参加した職員たちは、放射性物質の検査を行うために必要な1キロ分のコメを手作業で刈り取っていきました。
一方、残りの稲は廃棄せざるを得ないため、草刈り機で刈り取られていました。
町は、今回収穫したコメの検査で基準を超える放射性物質が検出されなければ、来年以降は収穫後のコメを食用に回す「実証栽培」に進む方針で、3年後に本格的な営農の再開を目指すとしています。
大熊町農業委員会の根本友子会長は「来年は実証栽培に移って皆さんに大熊のコメを味わっていただき、おいしいと言ってもらうことで農家の意欲を高めていきたい」と話していました。