福島県の高濃度PCB廃棄物 室蘭市の国の施設で処理始まる

原発事故が起きた福島県の特定の地域にある高濃度PCB廃棄物が、16日、室蘭市にある国の処理施設に運び込まれ、無害化するための作業が始まりました。
地元で不安の声も出ていることから、環境省は放射線量などの測定結果を公開しながら、作業を進めるとしています。

環境省は、東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、福島県内で指定された「汚染廃棄物対策地域」にある有害物質の高濃度PCB=ポリ塩化ビフェニルを含む廃棄物を室蘭市にある国の施設で処理することにしていて、16日午前、廃棄物を載せたトラックが施設に到着しました。

運び込まれたのは、コンデンサーや照明器具に使われる安定器など1547台で、環境省はトラックの周辺で大気中の放射線量を測定しましたが、到着前の数値と目立った変化は確認されませんでした。

また、施設では、廃棄物の表面の放射性物質も測定され、環境省が安全基準としている1平方センチ当たり4ベクレルを下回ったということです。

環境省では、PCB廃棄物を無害化する処理を16日から開始し、およそ2週間かけて作業を終える予定です。

地元では不安の声も出ていて、環境省環境再生・資源循環局の中野哲哉企画官は「放射線量の測定結果などを環境省のホームページで公開し、透明性を確保しながら進めていきたい」と述べ、理解を求めました。

【処理に反対の市民団体は】
安全性への懸念などから今回の処理に反対し、住民説明会を求めてきた地元の市民団体のメンバーなどは、16日、処理施設の前で抗議活動を行いました。

室蘭市の「原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会」の大倉幸子共同代表は「いちばん悔しいことは、市民が蚊帳の外に置かれたことです。対話を拒否されたまま、処理に進んだことがとても残念です」と話し、国や市による説明が不十分だと訴えました。