コメの放射性検査費用84%減へ
福島第一原発の事故のあと行われているコメの放射性物質の検査について、県は新年度の予算案で費用を8割以上削減し、8億円とする方針を決めました。
このまま、基準を超える放射性物質が検出されなければ、福島県のコメの検査は、ことしの秋、すべてを対象にした「全袋検査」からサンプル検査に移行することになります。
福島県は原発事故のあと、県内で収穫されたすべてのコメについて放射性物質の濃度を測定する「全袋検査」を行い、今年度予算に52億円を計上して検査を進めています。
基準を超えるコメが出たのは平成26年が最後で、平成27年以降、1月30日までの4924万袋はすべて基準の値を下回っています。
このまま去年収穫分のコメまで5年間基準超えがなければ、県はサンプル検査に移行する方針で、新年度の県の当初予算案では、コメの検査費用は今年度に比べ84%少ない8億円となっていることが関係者への取材でわかりました。
サンプル検査への移行については、信頼を回復してきた福島のコメが再び敬遠されるという懸念がある一方、検査の縮小が安全性を示すことになり、農家がコメを検査場に運ぶ負担が減ると歓迎する声もあります。
一方、原発事故に伴う避難指示が出るなどした12市町村では、当面全袋検査が継続される予定です。
コメの全袋検査がサンプル検査に移行することについて、福島市松川町で農業法人を経営する佐藤清一さん(70)は、賛成の立場です。
有機肥料だけで作る特別栽培米や、農薬を減らすエコ栽培米を育てる佐藤さんは、「自信を持って作っているのに、検査が必要だということに、じくじたる思いがありました。いつまでも検査を続けると、福島産はまだだめなのかと思われてしまうおそれもあると思います」と話していました。
また県内で行われている検査で、平成27年以降、基準を超えるコメがまったく出ていないことから、「これまでも安全なコメを届けてきたので、消費者も納得してくれるのではないかと思います。ことしのコメも例年通りに作付けしていきたいです」と話していました。