2巡目の甲状腺検査 見解を了承

2巡目の甲状腺検査 見解を了承

福島県が原発事故当時、18歳以下だった子どもたちを対象に行っている甲状腺検査で、2巡目の検査の結果、甲状腺がんやその疑いとされた71人について、「被ばくとの関連は認められない」とする専門家部会の見解が県の検討委員会に報告され、大筋で了承されました。

福島県は、原発事故当時18歳以下だったおよそ38万人を対象に、甲状腺の検査を続けていて、平成26年から実施した2巡目の検査では、およそ27万人が受診し、71人ががんやその疑いと診断されました。
8日開かれた県の検討委員会では、検査の結果を評価する専門家の部会がまとめた「2巡目の検査で発見された甲状腺がんと被ばくの関連は認められない」とする見解が報告されました。
報告では、見解の根拠として、UNSCEAR=国連原子放射線影響科学委員会が年齢別や市町村別に推計した被ばく線量とがんの発見率との関係が認められないことや、チェルノブイリ原発事故のあと増加した甲状腺がんと異なり、年齢が高いほど発見率が高くなっていることなどを挙げています。
委員からは、「詳細な推計をもとにしている点で妥当だ」という意見が出た一方で、「結論が早急で腑に落ちない点もある」という意見も出ましたが、報告は大筋で了承され、今後、意見を反映した上で、県に報告することになりました。
甲状腺がんと原発事故による被ばくの関係をめぐっては、県の検討委員会が3年前、116人ががんやその疑いと診断された1巡目の結果について、被ばく線量が総じて小さいことなどを理由に「放射線の影響とは考えにくい」としていて、検査を大規模に実施したことでがんが多く見つかっている可能性が高いという見解を示しています。
一部の委員からは検査を続けることに疑問の声も上がりましたが、報告を受けた星北斗座長は「この報告をもって検査をやめるということにはならない。今後のあり方については、3巡目以降の詳細なデータが明らかになった時点で、あらためて検討したい」と述べるにとどまりました。
「2巡目の検査で発見された甲状腺がんと被ばくの関連は認められない」とする報告について、専門家からは、今後、検査そのものを見直すきっかけにすべきという意見がある一方、結論を出すのは性急だという意見も出されています。
検討委員会の委員で、がんの要因分析が専門の国立がん研究センターの津金昌一郎さんは、報告の内容について「チェルノブイリの原発事故と比べても、福島では被ばく線量と関係があるとは考えられず、今回の報告を支持する」と話しています。
その上で、今後の検査については、「検査を受けるメリットより、検査を受ける不安や、過剰診断の弊害の方が大きいと思う。希望する人は受け続けられる仕組みを残し、現在行っている学校での集団検診のような画一的な検査はやめるべきだと思う」と話しています。
一方、甲状腺の専門医で、検討委員会の甲状腺専門部会で部会長も務めていた清水一雄さんは、「報告の内容は尊重するが、まだ2回目の結果であり、3回目の結果や、継続中の4回目など、引き続き、さまざまな検査を踏まえて議論すべきだと思う。甲状腺がんの要因となる内部被ばくの線量もはっきりわかっていない中で、5年、10年で結論を出すのは早すぎると思う」と話しています。
また、今後の検査については、「初めて行われている検査で、これほどの多くの人数に対して行われていることを踏まえると、これから結果がどう変わっていくか断言するのは難しいと思う。検査には批判もあるが、今より間隔を空けてでも、最低でも10年、あるいは20年、30年と続けていくべきだと思う」と話しています。