県内最大級の「竪穴建物」など複数の建物跡 粕屋町の阿恵遺跡

飛鳥時代から奈良時代とみられる複数の建物の跡が見つかった粕屋町の阿恵遺跡で、調査内容の現地説明会が行われました。
粕屋町の阿恵遺跡では、令和3年度からの発掘調査で、今から1300年余り前、飛鳥時代から奈良時代のものとみられる複数の建物の跡が見つかりました。
近くにある国指定史跡、「阿恵官衙遺跡」ですでに見つかっている役所の跡と同じ時代に展開していた建物の跡とみられています。
26日行われた調査内容の現地説明会には地元の人や考古学ファンなど100人余りが参加し、地面を掘り下げたうえで柱を立てて造る「竪穴建物」1軒と、掘り下げずに造る「掘立柱建物」9棟が見つかったことが説明されました。
このうち「竪穴建物」は面積がおよそ41平方メートルと、県内最大級だということです。
春日市から参加した65歳の男性は、「文字の記録がない時代のものなので、実際に見ることができてとても勉強になりました」と話していました。
発掘調査にあたった粕屋町教育委員会の西垣彰博主幹は、「遺跡はかなりの規模なので、古代の役所を支えていた人たちがいたのではないかと考えられる。役所の全体像を知る上で大きな発見ではないか」と話していました。