福井県が6年前にも3億円余り補助金の手続き忘れ全額負担

福井県が、漁港の整備などにあてる昨年度の国の補助金について請求し忘れて、4億円余りを受け取れないおそれが出ている問題で、県は新たに、6年前の養殖施設の整備事業でも3億円余りの補助金の手続きを忘れ、受け取れなかったことを1日の県議会で明らかにしました。

福井県は、水産庁の補助金を使って県内の漁港の整備などを行っていますが、ことし4月末が期限となっていた昨年度の事業分の補助金を請求し忘れた結果、約4億6000万円が受け取れないおそれが出ています。
これについて、1日の県議会で、県農林水産部の稲葉明人部長が経緯を説明した上で、さらに、2018年度に小浜市で行った高級魚「マハタ」の養殖の関連施設を整備した事業でも、担当の部署が補助金の手続きを忘れ、国から3億円余りを受け取れなかったことを明らかにしました。
県は、受け取れなかった全額を県の財源で負担しましたが、公表していませんでした。
これに対し、議員からは、「公金を扱う緊張感の欠如だ。組織として仕事を行うという意識の共有ができていたのか」といった意見や、「個人のミスではなく組織の問題だ。問題が起きたら公表し、次に起きないようにすべきだ」といった指摘が相次ぎました。
県は、部署を横断して会計処理を確認する体制を強化するなど再発防止策を講じることにしています。