日銀 県内の景気判断3期連続で据え置き 「持ち直しの動き」

日銀福井事務所は、県内の景気について「持ち直しの動きが続いている」として、判断を3期連続で据え置きました。

日銀福井事務所が、季節ごとにまとめている「福井県金融経済クォータリー」によりますと、前回、2月の景気判断の際には、「能登半島地震の影響が一部で見られるものの持ち直しの動きが続いている」としていましたが、地震の影響はほとんど見られなくなったことから、「持ち直しの動きが続いている」だけにして、判断を据え置いたということです。
判断の据え置きは、去年11月以来、3期連続となります。
「個人消費」では、ホテル・旅館の宿泊客数が北陸新幹線の県内開業の効果などから着実に持ち直しているほか、百貨店・スーパーなどの売り上げも持ち直しているとして、判断を引き上げています。
一方、「生産」は、主力産業である電子部品・デバイスは在庫調整が進んだものの、自動車向けの素材が一部の自動車メーカーの生産停止の影響を受けたことなどから、判断を「持ち直している」から「横ばい圏内の動きとなっている」に引き下げました。
日銀福井事務所の島田康隆事務所長は「新幹線開業による影響で、基本的には持ち直しの傾向が続くと見られる。春闘で平均の賃上げ率が5パーセント以上になったものの、実質賃金が伸び悩んでいて、個人消費が回復していくか注視する必要がある」としています。