空き家 福井県内 17.1%増の5万2000戸 過去最多に

続いて全国で深刻な問題となっている「空き家」についてお伝えします。
総務省が5年に1回行う「住宅・土地統計調査」が4月に公表され、去年10月1日時点の福井県内の空き家は前回の調査から17.1%増の5万2000戸あまりと、過去最多となりました。

それによりますと、日常的に人が住んでいない空き家は全国で900万戸と、前回より51万戸増加したほか、住宅全体に占める空き家の割合を示す「空き家率」は13.8%と、過去最高となりました。
福井県内の総住宅数は34万500戸と前回より1万5100戸、率にして4.6%増えたのに対して、空き家の数は7700戸、率にして17.1%増えた5万2700戸で、全国と同様に過去最多となりました。
また「空き家率」は1.7ポイント上昇した15.5%で、全国で27位でした。
5年のうちに、17%も増えていたというのは驚きですね。
ただ活用することで、空き家の数を減らそうと、県内ではすべての自治体で、空き家情報を公開し、購入を希望する人と仲立ちする「空き家情報バンク」を運営しています。
県によりますと、県内全体でことし3月までに累計で3557戸の登録があり、このうち、6割ほどにあたる、2300戸あまりで成約に至るなど、効果がうかがえるということです。
ただ空き家には必ずといっていいほど家財道具が存在し、どう処分するかも難しい問題となっています。
こうした中、坂井市三国町で空き家から出た家財道具を販売する「のみの市」が開催されました。
この「のみの市」は、空き家の問題に関心を持ってもらおうと空き家の利活用などに取り組む団体が初めて開いたものです。
会場には三国町にある空き家で装飾として使われていた欄間やきりのたんすなど、およそ50点が出品されていて、100円から3万円で販売されています。
「のみの市」の会場周辺は三国祭で多くの人でにぎわっていて、訪れた人たちは販売する担当者から説明を聞くなどして使えそうな道具を見定めていました。
坂井市によりますと、市がおととし実施した実態調査では、高齢化などを背景に日常的に人が住んでいない空き家が1336戸、確認されたということで、空き家に残された家財道具の処分なども課題となっています。