美浜原発3号機 国内初IAEAによる安全性調査始まる

関西電力・美浜原子力発電所3号機で、国内で初となるIAEA=国際原子力機関の専門チームによる安全性の調査が始まりました。
運転開始からまもなく半世紀となる中、国際的な知見に基づく提言を取り入れ、安全性の向上につなげることが狙いです。

16日に美浜原発を訪れたのはIAEA=国際原子力機関で、運転が長期化する原発の安全管理などの取り組みを評価するチーム「SALTO」のメンバーです。
関西電力は、1976年に運転を開始した美浜原発3号機について、長期的な運転を見据えた安全性の向上につなげようと、国内の原発としては初めてSALTOによる調査を要請していました。
調査の開始にあたって開かれた会合で、関西電力の鶴一隆美浜発電所長は「美浜発電所は、日本の原子力発電の歴史が凝縮された象徴的な存在だ。最新の知見で得られた改善点や提案を今後に役立てていきたい」と述べました。
これに対し、SALTOのリーダーでIAEAのマルティン・マルチェナ原子力安全担当官は「IAEAの安全基準に基づいた客観的な評価を提供し、我々の経験や知見を共有する機会となることを望んでいる」と述べました。
調査は、4月25日までの10日間行われ、組織の体制や設備管理の状況について20人以上に聞き取ったり、発電所内を見た上で、設備の経年劣化をどのように管理しているかを確認したりする方針です。
SALTOから改善点などが示されることになっていて、関西電力は、国際的な知見に基づく提言を取り入れ、安全性の向上につなげたいとしています。