福井藩主の松平春嶽や橋本左内などの貴重な資料新たに見つかる

福井藩主の松平春嶽や、春嶽につかえた橋本左内などの書状が新たに見つかり、福井ゆかりの人物の幕末期の具体的な活動をうかがい知ることができる貴重な資料として注目されています。

県は、3月までの1年間で、幕末の福井藩に関わる書状や短冊など、約600点が新たに寄贈されたとして、そのうちの一部を公開しました。
今回新たに見つかった、松平春嶽が1862年に幕府の人事を担当する役人に対して送った直筆の書状には、薩摩藩の人事をめぐる問題について、柔軟に対応するよう提案したことが記されています。
また、橋本左内が1858年に、自身がかつて学生の監督役をつとめていた福井藩の藩校「明道館」の責任者に対して送った手紙は、存在は知られていましたが、今回初めて現物が確認されました。
手紙には当時最新鋭の西洋式の時計、「セコンド時計」を明道館に送ることが記されていて、左内が仕事のために江戸に移ったあとも、藩校との関わりを持っていたことを示す内容になっています。
県文書館の長野栄俊主任は「福井ゆかりの藩士たちが、幕末の政治的な混乱を乗り切ろうと活動していたことがわかる資料もある。直筆の文字にも注目してほしい」と話していました。
これらの文書は、4月13日から福井市にある県文書館で公開されます。