技能実習生受け入れ タイの県知事 高齢者施設を視察

担い手が不足している介護現場の人材確保の対策として外国人技能実習生の受け入れが進む中、県内に実習生を送り出しているタイの県知事が5日、実習生が働く大野市の高齢者施設を視察しました。

福井県を訪れたのは、介護の分野で技能実習生を送り出しているタイ・カンチャナブリ県のトーサポン・チャイコミン知事など10人あまりです。
一行は、5日、送り出した2人が働く大野市の高齢者施設を視察し、トーサポン知事は施設の職員や実習生たちに「福井県で介護人材の育成を進めることは大変重要なことで、貧しい環境にいた生徒たちが今では安定した収入を得ることができています」とあいさつしました。
このあと、トーサポン知事は、お年寄りと日本語でコミュニケーションを取りながら、食事のサポートをしたり体温を測ったりする実習生の働きぶりを注意深く見つめていました。
そして実習生に、「今後、タイから訪れる後輩たちに指導ができるよう、福井での経験をすべて記録してほしい」と声をかけていました。
県はタイのNGOとともに3年前から現地で日本語や介護の実習などを行うプログラムを立ち上げていて、去年までに受け入れた実習生は27人にのぼります。
5月にはさらに12人が県内の施設で働く見通しで、県は今後もタイとの連携を強めて介護現場で働く人材を確保したいとしています。