北陸新幹線の金沢・敦賀間開業 大勢の観光客でにぎわう

北陸新幹線の金沢・敦賀間が16日開業し、東京と福井県の敦賀駅は、乗り換えなしで3時間余りで結ばれました。
16日から「北陸応援割」も始まり、首都圏と新たにつながった福井県や石川県の各地は、大勢の観光客でにぎわっています。

北陸新幹線の石川県の金沢駅と福井県の敦賀駅を結ぶ約125キロの区間が16日、開業しました。
福井県側の始発駅となる敦賀駅では、午前6時すぎに東京駅に向かう最初の列車、「かがやき502号」が出発したあと、午前9時半すぎに、東京駅発の最初の列車「かがやき501号」が敦賀駅に到着し、東京・敦賀間が乗り換えなしで3時間余りで結ばれました。
今回の延伸で、福井と東京の間は最短で2時間51分と30分程度、金沢と大阪の間は、特急の乗り継ぎも含めて最短で2時間9分と20分程度、それぞれ短縮されます。
16日から「北陸応援割」も始まり、能登半島地震で予約のキャンセルが相次いだ福井県あわら市の温泉旅館では、新幹線を利用した宿泊客が次々と訪れていました。
ただ、予算の不足から北陸応援割を見込んで事前に予約していた人が割引きの適用にならず、キャンセルするケースも出ているということで、旅館は新幹線開業による宿泊客の増加に期待を寄せています。

【敦賀駅で出発式】
福井県側の始発駅となる敦賀駅のホームでは、出発式が開かれ、斉藤国土交通大臣や杉本知事などが出席しました。
東京駅に向かう最初の列車「かがやき502号」の浦松義幸運転士が地元の小学生2人から花束を受け取りました。
そして、テープカットとくす玉割りが行われ、開業を祝いました。
その後、「かがやき502号」は、敦賀駅の上島豊敏駅長と俳優の中条あやみさんによる「出発進行」の合図で走り出しました。

【敦賀駅の乗客「違った景色が見られわくわくした」】
北陸新幹線、金沢・敦賀間の開業初日の16日、東京からの1番列車「かがやき501号」はカメラを持った大勢の人が待ち構える中、午前9時34分、敦賀駅に到着しました。
東京駅から乗車したという30代の男性は、「金沢開業の時も1番列車に乗ったので『ぜひ今回も』と思って乗りました。敦賀駅は高い場所にあって景色がきれいだなというのが実感です」と話していました。
また、夫婦で乗車した20代の男性は、「これまで福井には何度も来たことがありますが、また違った景色が見られてすごくわくわくしました。敦賀の赤レンガ倉庫を楽しみにしているのでこれから行ってきます」と話していました。
長野駅から乗車したという20代の男性は「地元の方が手を振ったり、ボードを持ったりしていて、開業したなという雰囲気を味わいました。福井は海鮮がおいしいと聞いたので食べてみたいです」と話していました。

【越前たけふ駅で記念の式典】
越前市の越前たけふ駅で行われた記念の式典には自治体の関係者のほか、福井の眼鏡産業の発展をテーマにした映画に出演した俳優の小泉孝太郎さんが出席しました。
そして、敦賀駅を出発した1番列車の「かがやき502号」が午前6時23分に到着すると、ひときわ大きな歓声が上がっていました。

【越前たけふ駅 1番列車の客「地元に新幹線は夢」】
越前たけふ駅では、午前9時20分すぎに、東京からの1番列車、「かがやき」から降り立つ人の姿が見られました。
実家が越前市にあるという40歳の男性は、駅員から乗車した記念として持ち帰れるように、乗車券にはんこを押してもらっていました。
男性は、「小さいころから地元に新幹線が通るのが夢でした。何とか予約でき、ふるさとに戻ってこられてよかったです。これからも利用していきたいです」と話していました。
越前たけふ駅から東京に2泊3日の予定で向かうという鯖江市の男性は「特急が止まっていた鯖江駅と比べると新たな駅は、自宅から距離はかかりますが、駅前の駐車場が無料で使えるのはいいですね」と話していました。
また、旅行で孫と一緒に金沢に行くという越前市の家族連れは、「初日ということもあり、家族の思い出にと思い旅行を計画しました。近くに駅ができたので、出張にも便利になります」と話していました。

【福井駅で開業祝う式典】
福井駅では午前5時半前から自治体の関係者などが出席して開業を祝う式典が開かれました。
福井駅での式典は、16日午前5時半前から1階のコンコースで開かれ、福井市の西行市長のほか、嶺北の自治体の関係者やJRの関係者など約60人が出席して行われました。
西行市長は「整備計画決定から半世紀が経過し、幾多の苦難に直面しながらもきょうという日を迎えることができた。きょうは福井にとって新しい時代の幕開けだ。開業の効果を継続的なものとし地域の発展や豊かさにつなげていきたい」と述べました。
会場周辺ではカメラを持った鉄道ファンなど大勢の市民の姿も見られ、一番列車の出発を待っています。
【福井駅で出発式】
福井駅のホームでは、午前6時半前に出発式が始まりました。
「かがやき502号」が午前6時半すぎに敦賀駅から到着すると、市民や地元の自治体の関係者などが、北陸新幹線の車両がデザインされた旗を振って出迎えました。
そして、テープカットとくす玉割りを行って開業を祝ったあと、新幹線は福井駅長の「出発進行」の合図にあわせて、東京駅に向けて出発していきました。
ホームでは、集まった人たちが「いってらっしゃい」などと声をかけて見送っていました。
【福井駅の乗客「記念すべき日なので正装で来ました」】
小学4年生の孫に一番列車の切符をプレゼントしたという福井市の83歳の男性は「孫に1番列車の切符をプレゼントしました。やっと新幹線が通って、夢がかなった気分です」と目を潤ませながら話していました。
また福井市出身で、金沢からの1番列車に乗ってきた蝶ネクタイ姿の男性は「記念すべき日なので正装で来ました。小さいころは福井に新幹線が来るなんて思っていなかったので、本当に感動しています」と感慨深そうに話していました。
【芦原温泉駅でも開業祝う式典】
あわら市の芦原温泉駅でも午前8時ごろから市やJRの関係者など約30人が出席して開業を祝う式典が開かれました。
この中であわら市の森市長は「新幹線の開業はゴールではなく新たな出発点だ。福井を訪れた人たちにあわら市に行きたいと思ってもらえるよう今後も努力したい」とあいさつしました。
このあと、ゲストとしてあわら市が舞台の一つとなった競技かるたを題材にしたアニメで声優を務めた3人が登場し、このうち、主人公役の声優を務めた瀬戸麻沙美さんは「アニメの舞台にもなったあわら市の記念すべき日に参加できてうれしい」と話していました。
芦原温泉駅では午前8時41分に東京駅に向かう「かがやき506号」がホームに到着すると、県や市の関係者などがテープカットをして開業を祝いました。
そして、駅長の合図とともに新幹線が出発すると、ホームにいた人たちから大きな拍手が送られていました。

【芦原温泉駅では旅館のおかみたちが出迎え】
あわら市の芦原温泉駅では、旅館のおかみたちが東京方面から到着した最初の新幹線から降り立ってきた人たちを出迎えました。
東京駅を出発して最初に芦原温泉駅に到着する「かがやき507号」が午後0時18分に到着し、次々と乗客が降り立ちました。
駅のコンコースでは、「あわら温泉女将の会」のおかみや、そろいのハッピを着た市の職員などおよそ40人が集まり、「ようこそあわら温泉へ」と声をかけながら乗客を出迎えていました。
東京から訪れたあわら市出身の20代の女性は「何年も前からずっと楽しみにしていました。記念すべき初日に大好きなあわらに帰れてうれしいです」と話していました。
また、埼玉県から娘の卒業旅行で訪れた40代の女性は「1番列車だったので記念になりました。これから東尋坊に行って、夜のあわら温泉を楽しみたいです」と話していました。
【北陸新幹線の県内開業記念の号外も】
福井駅前や越前たけふ駅前では北陸新幹線の県内開業を記念して号外が配られ、地元の人たちが次々と受け取っていました。
福井駅前で号外を受け取った越前市の30代の女性は「本当に新幹線が来たと、実感がわいてきます。このにぎやかな雰囲気を1日楽しみたいです」と話していました。

【観光地周遊する定期観光バス「はぴバス」運行開始】
北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業を機に、新幹線の新駅を起点に県内の観光地を周遊する定期観光バス、「はぴバス」が16日から運行を始めました。
「はぴバス」は点在する県内の観光地をスムーズに回ってもらおうと、バス会社5社が共同運行する定期観光バスで、北陸新幹線の県内開業にあわせて、16日から運行を始めました。
福井駅前で行われた出発式では福井県バス協会の岩本裕夫会長が「福井の観光がさらに元気になるように運行していきたい」とあいさつしました。
そして、関係者などがくす玉を割って運行開始を祝うと、さっそく観光客を乗せた第1便のバスが勝山市の県立恐竜博物館に向けて出発していきました。
「はぴバス」は冬季を除く土日や祝日を中心に永平寺をめぐるルートなど、県内4つの新幹線の駅から各地の観光地をめぐる全11ルートが運行される予定です。
県内で定期観光バスが運行されるのは約20年ぶりで、バス会社はガイドを確保するために未経験者を含めた10人を採用し、半年間、養成してきました。
バスガイドとしてデビューする村上仁美さんは「とても緊張していますが、半年間の練習を思い出して平常心でガイドを行い、お客様に楽しんでもらいたい」と話していました。
【恐竜博物館もにぎわう】
北陸新幹線、金沢・敦賀間が開業した16日勝山市の県立恐竜博物館も多くの家族連れでにぎわいました。
16日は午前中から恐竜のラッピングバスを利用する多くの家族連れが恐竜博物館を訪れました。
ほとんどが北陸新幹線で福井を訪れた人たちだということで、博物館に到着すると、さっそく迫力のある恐竜の骨格や化石などの展示を興味深そうに眺めていました。
大阪から家族で訪れたという小学6年生は「北陸新幹線に乗るのが旅行の目的でしたが、福井にきたので恐竜博物館はぜひ来てみたかった」と話していました。
また、飛行機と北陸新幹線を乗り継いできたという、茨城県の女性と小学生の息子は「恐竜博物館は初めてで、ティラノサウルスの化石を見るのが楽しみです」と話していました。
恐竜博物館によりますと、入館者は16日の午後3時の時点で3500人余りとなり、コロナ禍前の同じ時期と比べて3割ほど多くなっているということです。
県立恐竜博物館の辻俊之副館長は「新型コロナの感染が落ち着いたことに加え、博物館のリニューアルや北陸新幹線の県内開業でわれわれが期待した以上の誘客効果が出ていると感じます」と話していました。
【ブルーインパルスが航空ショー】
北陸新幹線の金沢・敦賀間が16日開業し、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、「ブルーインパルス」が県内の上空で航空ショーを披露して華を添えました。
航空自衛隊の「ブルーインパルス」は北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業を記念して、停車駅となる県内の4つの駅周辺の上空で祝賀飛行を行いました。
このうち、福井市の上空では午後1時前に「ブルーインパルス」の6機の機体が姿を見せました。
そして、機体から出す白いスモークを使った飛行で、6つの輪を重ねた桜の花や、ハートを描きました。
足羽川の河川敷には、たくさんの人が詰めかけ、計算された、華麗でアクロバティックな飛行を見せると、大きな歓声をあげたり、写真を撮ったりしていました。
福井市の70代の女性は「ブルーインパルスの飛行は滅多にないことで、国体の時は、中止になってしまったので、今日は見ることができてよかったです」と話していました。
【敦賀駅前にぎわう】
福井県側の始発駅のある敦賀市では、敦賀駅前を中心にイベントが開かれ、多くの観光客や市民でにぎわいました。
敦賀駅前では、東京からの1番列車が到着したあとの午前10時ごろから新幹線の開業を記念したイベントが開かれました。
会場にはふぐやまだい、若狭牛といった若狭地方の特産品を使った料理を販売するキッチンカーや飲食店のブースなどが並び、訪れた人たちがおいしそうに味わっていました。
敦賀市の50代の男性は「地元がここまで盛り上がるのは想像以上です。このにぎわいがこのまま続いてまちがもっと盛り上がってほしい」と話していました。
北陸新幹線でさいたま市大宮区から家族で訪れたという50代の男性は「新幹線に乗るとあっという間に到着し、感動しました。5、6年前に来たときとは比べものにならないほど盛り上がっていて楽しいです」と話していました。
【ゆかりの人は】
敦賀駅前で開かれた北陸新幹線の開業イベントには嶺南地方とゆかりのある俳優なども訪れました。
敦賀市出身の俳優の大和田伸也さんは「故郷の敦賀がこんなにも盛り上がるとは信じられない。新幹線の開業を機に福井県を始め、北陸全体がもっと盛り上がってほしい。敦賀は海も山もあって、古い町並みも残るふるさとの良さが詰まっている場所なので、多くの人に訪れてほしい」と話していました。
また、若狭町に親族がいる歌手の西川貴教さんは「福井県は故郷の滋賀県とも隣接しているので、地域として盛り上がってほしい。まだまだ延伸しますし、親類と会う機会を増やしていきたい」と話していました。

【福井駅前にフードホールなど入る複合施設オープン】
北陸新幹線の県内開業を機にJR福井駅前で再開発が進むエリアでは、フードホールや土産物店などが入る複合施設の一部が先行して16日からオープンしました。
福井駅前の再開発エリアで整備が進む複合施設「FUKUMACHIBLOCK」のうち、フードホールや土産物店など一部の店舗が16日から先行してオープンし、営業が始まった午前11時ごろには多くの客でにぎわいました。
1階には福井でとれた食材などを味わうことができる飲食店や土産物店などおよそ30の店舗が5つのゾーンに分かれていて、このうち、横町をイメージしたゾーンには12の小規模な飲食店が並び、客どうしが近い距離で福井ならではの味を楽しむことができます。
敦賀市から新幹線で訪れたという60代の男性は「食べ歩きができるような工夫がされているので、福井県民としてにぎわいができるといいと思う」と話していました。
フードホール「MINIE」の日置智啓館長は「福井にこだわったものを集めているのが強みなので、観光やビジネスで訪れた人以外にも、福井に住む人にとって地元を再発見できる施設になると期待している」と話していました。
施設内では今後、25メートルプールを備えたフィットネスクラブやオフィスなども順次開業し、駅前の新たなにぎわいの拠点として期待されています。

【JR福井駅前で観光客もてすイベント】
北陸新幹線の金沢・敦賀間が開業した16日、JR福井駅前では観光客をもてなそうと地元の特産品などを販売するイベントが開かれ、多くの人でにぎわいました。
福井市の中心部では北陸新幹線で訪れた観光客をもてなそうと16日と17日の2日間、イベントが開かれています。
このうち、JR福井駅前ではマイタケやサトイモ、油揚げなど特産品をふんだんに使った汁物や恐竜をデザインしたパッケージの土産物などを販売するブースが設けられ、訪れた人たちが次々と買い求めていました。
また、地元の人たちがさまざまな面をつけてかねや笛にあわせて太鼓を鳴らす福井の伝統芸能を披露すると大きな拍手が送られていました。
東京から北陸新幹線で訪れたという30代の男性は、「以前に来たときの福井とは、比べものにならないくらいのにぎわいで驚きました」と話していました。
また、永平寺町から訪れた30代の男性は、「北陸新幹線の開業効果で福井がにぎやかになってくれたらうれしいです」と話していました。
福井市の黒田慶廣未来づくり推進局長は「これからますます多くの人が来てくれると思いますので、イベントなどを通して、福井の良さを感じてもらいたい」と話していました。
【「北陸応援割」始まる 予算少なく予約キャンセルも】
北陸新幹線の開業に合わせて、県内では16日から「北陸応援割」が始まりました。ただ、割り当てられた予算が少なく、割引きが適用されなかった予約のキャンセルが相次いでいて、旅館の関係者は気をもんでいます。
あわら市の温泉旅館では、午後3時ごろから次々と新幹線などを利用して訪れた宿泊客が旅館に到着し、従業員が出迎えていました。
旅館によりますと、16日はほぼ満室になっているということです。
埼玉県から北陸新幹線で訪れた大野市出身の50代の女性は、「久しぶりに両親と一緒に旅行に来ました。温泉を楽しみたいです。」と話していました。
県内では能登半島地震の影響を受けた北陸地方の観光業を支援する「北陸応援割」が16日から始まりましたが、旅館によりますと、県に割り当てられた予算が少なく、開始を見込んで予約したものの、割引きの適用がされなかったためキャンセルが相次いでいます。
この旅館では、対象期間中だけで956件の予約のキャンセルがあり、総額は約8000万円にのぼっているということで、能登半島地震の直後よりも影響が大きくなっているということです。
旅館の伊藤将太取締役は「『北陸応援割』に期待していたが、予算が少なすぎて、ほとんどのお客さまが利用できていない。それでも新幹線開業を機に、福井に訪れる人が増えることを期待したい」と話していました。

【JR西の社長「能登半島地震の復旧・復興の原動力に】
北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業を受け、JR西日本の長谷川一明社長は「能登半島地震の復旧・復興の原動力になっていきたい」と述べ、新幹線を通じた北陸地方への誘客に力を入れる考えを示しました。
北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業を受け、福井市のホテルで開かれた記者会見で、JR西日本の長谷川社長は、「金沢・敦賀間の開業で、北陸と各地域を結ぶ重要な社会インフラができた。新幹線が、これから本格化する能登半島地震の被災地域の復旧・復興の原動力になっていければと思っている」と述べました。
その上で、「北陸3県により多くの人が足を運んでもらえるように、被災した地域の状況も勘案しながら、地元の方々と連携して取り組んでいきたい」と述べ、新幹線を通じた北陸地方への誘客に力を入れていく考えを示しました。
また、会見に同席した杉本知事は、「まずは福井や石川県の加賀地方、または富山で多くの利用客を迎え入れ、徐々になりわいを再建していく能登の地域にも広げていく。その一つの重要な要素としてこの北陸新幹線の開通がある」と話していました。

【斉藤国土交通相「開業に向け前に進めたい」】
北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業を受け、地元からは大阪への延伸を求める声が高まっていることについて、斉藤国土交通大臣は、「着工に向けた条件の検討を深め、全線開業に向けて前に進めたい」と述べました。
北陸新幹線の金沢・敦賀間の開業を受け、福井駅前に新しくオープンしたホテルで記念の式典が開かれ、JRや国土交通省、自治体などの関係者約500人が詰めかけました。
会場では、関係者たちが酒だるを鏡開きし、開業を祝って、万歳三唱が行われました。
この中であいさつした斉藤国土交通大臣は、「嶺南地域全体に新幹線の効果が広がっていくよう、敦賀・新大阪間の着工に向けた条件の検討を深め、1日も早い全線開業に向けて、前に進んでいきたい」と述べました。
大阪への延伸をめぐっては、2兆円を超えるとされる費用や沿線の環境への影響を評価する手続きの遅れで、着工の見通しが立たない状況が続いています。
式典のあとの会見で、杉本知事は、斉藤大臣の発言について、「着工に向けた調査は進んでいるので、どう具体的な形にしていくかということと、もう一つの大きな壁である財源の議論について、一緒にやっていこうという力強いメッセージだ」と述べた上で、「沿線の議会や自治体、経済界とともに、年末の国の予算編成に向けて力を入れていきたい」と話していました。