花粉症対策「エリートツリー」実証実験で林業関係者視察

「エリートツリー」と呼ばれる花粉の量が従来の半分以下のスギの木に植え替えるための実証実験が、福井県内で始まることになり、28日、林業関係者が予定地となっている山林を視察しました。

この実証実験は、花粉症対策などを目的に県と国の研究機関が取り組んでいて、「エリートツリー」と呼ばれる、花粉の量が従来の半分以下で、成長が1.5倍のスギの苗木を福井市の山林に植える計画です。
苗木は、29日以降、植えられる予定で、28日は、県内の林業関係者20人ほどが実証実験が行われる福井市市ノ瀬地区の山林を視察しました。
実証実験では、約1.7ヘクタールの山林に、複数の種類の「エリートツリー」約1000本を植えることにしていて、参加者たちは植え付ける方法について説明を受けていました。
県は、この実証実験で、どの種類が適しているかや、管理にかかるコストなどを30年ほどかけて検証し本格的な植え替えにつなげたいとしています。
花粉症対策をめぐっては、嶺北にある約1万6000ヘクタールのスギの人工林が、国の「重点区域」に指定され、伐採などを集中的に進めることになっています。
実証実験を担当している県総合グリーンセンターの木下輝雄主任研究員は「私自身も花粉症なので、今回の実験を通して福井でエリートツリーが普及することに期待したい」と話していました。