「クリアランス金属」の防犯灯 県庁で完成報告

原子力発電所の廃炉作業で出た廃棄物のうち、放射能レベルが極めて低いとされる「クリアランス金属」を使った防犯灯ができあがり、デザインを担当した福井市の高校生が、県庁で完成を報告しました。

「クリアランス金属」は、原発の廃炉作業に伴って出た放射性廃棄物のうち、放射能レベルが極めて低いとして原子力規制庁が再利用の認可を出した金属で、国が普及を進めようとしています。
27日は授業などでその活用について学んでいる福井南高校の生徒7人が県庁を訪れ、クリアランス金属を使った防犯灯の完成を杉本知事に報告しました。
今回完成した防犯灯は廃炉作業が進む茨城県の東海原発から出たクリアランス金属を使っていて、大きさは40センチほど、県の花であるスイセンをモチーフに、かさの部分が六角形になっています。
去年6月から製作に当たってきた高校生たちは、デザイン作業に加えて地元の人たちを対象にクリアランス金属についての説明会も開いてきたということで、3月には学校と最寄り駅の間の通学路に9基を設置するほか、原発が立地していない県内のほかの自治体にも寄贈する方針です。
2年生の西田杏乃さんは「クリアランス金属の活用はまだ福井県内にとどまっている。これが全国にも広まって、原子力についてさらに考えてもらうきっかけになってほしい」と話していました。