関西電力「乾式貯蔵施設」3原発設置方針 県・町に伝える

関西電力は、8日使用済み核燃料を一時的に保管する「乾式貯蔵施設」を福井県内に3つある原子力発電所すべてに設置する方針を県と立地する町に伝えました。
設置の申請には県や町の事前の了解が必要で、認めるかどうかが焦点となります。

関西電力は、去年福井県内の原発から出た使用済み核燃料を県外に搬出する計画とともに、核燃料を一時的に保管する「乾式貯蔵施設」を原発の敷地内に設置することを検討する方針を県に示していました。
これについて、関西電力の幹部が県庁を訪れ、県の担当者に対して、県内にある美浜原発、高浜原発、大飯原発すべてに「乾式貯蔵施設」を設置する方針を伝えました。
関西電力は稼働する原子炉が多い高浜原発の分から設置したい考えで、早ければ2027年ごろから核燃料を置き始めたいとしています。
ほかの2つの原発では、2030年ごろから置き始める予定だということです。
関西電力の幹部は、使用済み核燃料20体余りを「キャスク」と呼ばれる金属製の容器に入れて、その1つ1つをコンクリートで覆うと説明しました。
これに対し、県の担当者は「計画内容を精査して安全確保を最優先に適切に対処したい」と述べました。
「乾式貯蔵施設」の設置には、国への申請の前に県や立地する町の事前の了解が必要で、認めるかどうかが焦点となります。
関西電力が県内の原子力発電所すべてに「乾式貯蔵施設」を設置する方針を伝えたことについて、高浜町の野瀬町長は「今後、関西電力からの説明をしっかりと聞き、内容を精査した上で、町としての意向を伝えていく。関西電力には安全の確保を大前提として、ロードマップの着実な推進と立地地域の地域振興に貢献いただくようお願いしたい」というコメントを出しました。
おおい町の中塚町長は「住民の安全安心の向上につながることが最重要で、ロードマップが示された取り組みの迅速かつ着実な推進が必要であると考える。今後、事業者の計画内容をしっかりと確認したうえで、申請了承に係る判断をしたい」というコメントを発表しました。
また、美浜町の戸嶋町長は「事業者から提出された事前了解願いについては、安全安心の最大限の確保や地域の振興など、さまざまな観点から総合的に判断したい」というコメントを出しました。