坂井市の「一筆啓上賞」 入賞作品決まる 

日本一短い手紙のコンクールとして知られる坂井市の「一筆啓上賞」の入賞作品が決まり、ことしのテーマ、「時」にまつわる思いが込められた作品が発表されました。

坂井市は、地元ゆかりの戦国武将が妻に送った「一筆啓上」で始まる短い手紙にちなんで、40字以内の文章で思いを伝える日本一短い手紙のコンクールを毎年開いています。
ことしのテーマは「時」で、国内外から3万4000通余りの応募があり、25日は、5つの大賞を含む162の入賞作品が発表され、地元の中学生が作品を読み上げました。
このうち大賞に選ばれた福井市の西野日菜さん(25)の作品は、「今年亡くなった祖父へ『火葬場から帰る車の中、膝の上に小さい爺ちゃんが居て、あぁ昔と逆だなって思ったよ。』」と亡き祖父への切ない思いをつづっています。
また、同じく大賞に選ばれた沖縄県大宜味村の森山高史さん(74)の作品は、「旅で出逢った日の妻へ『最終バスに乗り遅れたあのとき、わざとゆっくり歩いていたんだ。たぶん、君もね。』」と当時の思いを打ち明ける内容となっています。
選考委員を務めた小室等さんは「応募作品を読んで『時』へのさまざまな捉え方があり、『時』への思いは1つじゃないと思った。僕自身への戒めも含めてみなさんにはもっと手紙を書いてほしい」と話していました。