県が花粉量従来の半分以下に抑えたスギの苗木の植林実証実験へ

花粉症への対策が国を挙げて進められる中、県は、国の研究機関と共同で、花粉の量が従来の半分以下の新しいスギの苗木を、福井市の山林に植える実証実験を始めます。
この品種を植えるのは、北陸地方では初めてだということです。

県と国の森林総合研究所は、花粉の量を従来の半分以下に抑えるように交配によって改良したスギの苗木を植える実証実験を2月下旬から始めることにしています。
この苗木は「特定母樹」と呼ばれ、実験では、福井市内の山林約1ヘクタールの広さに植える計画です。県によりますと、特定母樹が植えられるのは、北陸地方では、初めてだということです。
この品種は、従来の1.5倍の早さで成長することも見込まれていて、木材として伐採するまでの期間が短くなることから、林業の活性化も期待されています。
国や県は、今後5年から10年程度かけて苗木の成長を確認するほか、県内でもこの品種の苗木を生産してほかの地域に広げて植える予定だということです。
福井県県産材活用課の五十嵐清美主任は、「花粉が少なく、さらに成長が早いということは林業にかかるコストを抑えることにもなり、林業の収益性や生産性を高めることができる。苗木生産から伐採まで県内で完結できるように進めていきたい」と話していました。