福井赤十字病院で大地震と原子力災害想定し訓練

大地震と原子力災害が起きたことを想定して、けが人の受け入れなどの手順を確認する訓練が、3日、福井赤十字病院で行われました。

訓練は、感染症指定医療機関として十分な対策を講じたうえで、災害時の患者の受け入れに備えようと行われ、職員やボランティアを含め約200人が参加しました。
訓練は、敦賀市で震度7の地震が起き、多くのけが人が出たという想定で行われました。
このうち、地震で被害を受けた原子力発電所からけが人が搬送されたことを想定した訓練では、医療スタッフが専用の診療エリアで、けが人に放射性物質が付着していないか調べたり、除染したりしたあとで、手当てを施していました。
また、けが人役の人たちが次々に病院に運ばれると、「トリアージ」と呼ばれる作業で治療の優先順位を決めたうえで、新型コロナウイルスの感染が疑われる人と、そうでない人たちとでエリアを分けて治療にあたる手順を確認していました。
福井赤十字病院によりますと、ことし5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行されてから、こうした訓練を行うのは初めてだということで、訓練で見えた課題を改善し、災害時に備えたいとしています。
福井赤十字病院の小松和人院長は「今後も深刻な被害が出る災害を想定した訓練を行い、災害時の対応を強化していきたい」と話しています。