震災時の岩手・釜石市の防災課長が講演 越前市

東日本大震災によって甚大な被害が出た岩手県釜石市で対応にあたった当時の防災課長が、越前市の職員に講演し、子どもたちへの防災教育を充実させることの重要性を訴えました。

この講演会は、消防庁が東日本大震災の教訓を伝えることで、地域の防災意識の向上につなげようと各地で開いているものです。
22日は、越前市の職員を対象に講演が行われ、1000人を超す死者と行方不明者が出た岩手県釜石市で、当時、防災課長を務めていた佐々木守さんが講師を務めました。
佐々木さんは震災の前、住民の中には、防潮堤が完成したことで、津波はもう来ないと思い込んでいた人が多かったと振り返りました。
その一方で、ふだんから避難訓練を繰り返してきた子どもたちは、1.5キロほど走って避難したことで助かったケースがあったことを紹介し、「効果がある訓練を行い、多くの人に参加してもらうことが大切だ」と述べ、防災教育の大切さを訴えました。
また、避難所については、女性の視点が足りなかったとして越前市では着替えやトイレのことに留意して設営するようアドバイスしていました。
参加した職員は「講演の内容を参考にして避難所での設営などにあたりたい」と話していました。